セールスすることに心苦しいと感じる方へ
先日、エステサロンに勤める女性と話をした際に、商品をセールスすることに心苦しさを感じていると話をされてました。
その女性はエステの技術もあり、お客様からの信頼も高く、店のオーナ―からも評価の高い方で商品のセールスも結果を出している方です。
「セールスすることに心苦しさを感じる」
この気持ちは、セールスする人にある一定の割合で感じる方がいるようです。
特に、物販系で、BtoCの業態の方に感じる方が多いようです。
売りたいけど、お勧めして嫌な感情を持たれたらいやだな、、、
という気持ちありますよね。
これが、BtoBのセールスだと、お客様のニーズあった商品ならば、お客様に喜ばれるからそんな気持ちになる方は少ない気もします。
それでも、BtoBのセールスにおいても同じような気持ちを持つ方がいるかもしれません。
しかも、売れて使っていただいて、「よかったよ」といわれるならばまだしも、断られて、なんとなく冷たい視線を浴びせかけられたら、その場を逃げ出したくなりますよね。
この心苦しい気持ちにならないセールスの仕方があります。
もっと言うと、断られても、お客様には良い印象を与えることができる方法です。
場合によっては、感謝されたり、リスペクトされるようになってしまう精神的負担の少ないセールスの考え方です。
目次
1.お客様のニーズ、問題、悩みに共感しましょう
心苦しい気持ちにならないセールスのやり方には、最低限の前提条件があります。
これからセールスする商品(サービス)がお客様のニーズに合っている、もしくはお客様の問題、悩みの解決につながる商品であることです。
当たり前のことですが、ニーズ、問題、悩みを確認できないならば、セールスをしても、まあ売れないので、そんなことはやめましょう。
エステサロンのような場合は、施術前にアンケートやカウンセリングを行うので、悩みや、ニーズを聞き出すことには、あまり苦労することはないでしょう。
もし、初対面で、ニーズなどが聞き出せすことに、うまくいってない場合は下記ページを参考にしてください。
それでは、お客様のニーズや、問題、悩みが確認できているということで話を進めましょう。
ニーズや悩みを聞き出せたら、お客様に対してその問題を理解していることを徹底的に伝えてください。
具体的に例を挙げると
私も実は、以前○○で悩んでいたのですよ。
もしくは
昨日も、○○で悩んでいるとおっしゃる方とお話しました。
のように、あなたのニーズや、悩みは理解していることを伝え、その悩みでお客様の心にどんな負担があるか聞いてあげましょう。
例えば
私は○○のせいで、外出するのも気が重かったですけど、お客様はいかがですか?
のように、そのニーズ、問題、悩みを共有していますよということを、必ず伝えてください。
ここは、とっても重要です。
お客様にとって、あなたが問題や、悩みを知ってもらえるだけでなく、共感してもらえていることを感じてもらうのです。
2.解決策を提案するだけであなたの心の負担は軽くなります
共感してもらえていることを感じてもらうことが確認出来たら、あとは簡単です。
一言でいうと、解決策を3~4くらい話してあげればいいのです。
これで、商品が売れる確率はグーンとアップします。
その解決策の一つはあなたの売りたい商品だということはご理解ください。
さて、ここからが、この話の最重要ポイントです。
商品を売る話をするのではなく、解決策をお話してあげてください。
大切なのは、あなたが、プロフェッショナルな立ち位置で、あなたの持っているプロとしての知見をフル稼働して、お客様に解決策をお話しすることです。
可能ならば、お客様のニーズや悩みを一緒に考えてあげることができればベストです。
お客様にとって、あなたはその業界のプロであるとは認識しています。
お客様はプロとはいえセールスしようとすると、押し売りされていると感じ耳を塞いでしまうのですが、プロとしての知見を持った解決策の提案だったり、アドバイスに対しては聞く耳を持ってくれるのです。
うまくすると、もっと教えてという態度になります。
こうなれば、お客様は、あなたが売りたい商品も、解決策の一つとしてすんなり受け入れて聞いてもらえ購入に至る可能性が高まることになるのです。
つまり、お客様にとって、あなたの売りたい商品は、ニーズ、問題、悩みを解決するための選択肢の一つとして認識されるのです。
また、何らかの理由で購入至らない場合でも、あなたに対して、「押し売りの人」という認識ではなく、プロフェッショナルな「アドバイザー」、「コンサルタント」、うまくいけば「先生」になるのです。
どうですか、セールスするのではなく、
ニーズ、問題、悩みに対しての解決策をアドバイスしてあげる。
あなたの心の負担は軽くなりませんか?
ぜひ試してください。
3.売れるためのちょっとの工夫
無理にセールスをしなくてもよくて、解決策を提案するだけで売れるといいましたが、もう少し売れる確率を上げることを考えてみましょう。
単純な話、10人に話して2個売れるより、10人に話して4個売れた方がいいですよね。
もちろん、心の負担はなくです。
先ほど、解決策を3~4すると書きました。
ちょっと整理してみましょう、解決策のひとつはあなたの売りたい商品です。
残りの解決策はとは、どういうものでしょう?
気が付かれているかもしれませんが、残りの解決策はあなたの売りたい商品にとって、競合となる商品であったり、サービス、手段となります。
この競合する商品が、お客様の問題解決にとって優れた商品であればあなたの商品と同じくらい、いやそれ以上に丁寧に積極的に勧めてください。
えー、そんなことをすれば売りたい商品が売れなくなる
って思いますよね。
でも大丈夫です。安心してください。
この競合の解決策(商品、サービス)であったものを、丁寧に積極的に勧めることは2つの理由があります。
一つは、競合商品をお勧めすることで、お客様の信頼が増すのです。
お客様にとって、他社製品であっても、プロの目で自分に合う商品、サービスを勧められるなんて、信頼できる人と感じるのです。
もう一つは、人は多くの場合、何か、問題、課題があってその解決するための最高の提案があっても、何か理由がありその解決策を取ることができないことが多いのです。
例えば、私は中年になり太ってしまっています。
この問題に対して、健康に痩せるためには有酸素運動が一番で、毎朝30~60分ウォーキングが最適であると権威あるコンサルタントに勧められても、多分この解決策は採用できません。
なぜならば朝が弱いからと運動が嫌いだからです。
つまり、有酸素運動のウォーキング30分という解決策には朝が弱い人、運動嫌いの人にとっては向かないのです。
お客様の課題解決において、どんなにすばらしい競合商品であっても選択できないことは多いのです。
ほっておいても、その人に合わない解決策は採用されないのですが、そこはセールスする立場からとしては、一押ししてあげましょう。
例えば、この朝のウォーキングに対してであれば
私はウォーキングがとってもいいことだとわかっているのですが、朝が弱くて、そもそも運動することが嫌いなのでできなかったのです。
お客様は、朝はお強いですか?
もしくは
昨日、お見えになったお客様もウォーキングがとってもいいことだとわかっているのですが、「朝が弱くて、そもそも運動することが嫌いなのでできない」ってお話されてました。お客様は、朝はお強いですか?
このように、競合の解決策のデメリット、できない理由を気付かせてあげてください。
無理に競合商品を叩き潰すセールストークを駆使する必要は全くありません。
気が付いたお客様は、勝手に自分でその競合商品を選択肢から外してくれます。
お客様は、解決策の残った選択肢である、あなたの売りたい商品を自然と検討することになるのです。
どうですか、セールスする負担はないですよね。
しかも、購入に至らなくても、お客様の気持ちはあなたに対して、
押し売りをされた人
と全く思わず、
自分の悩みや問題に対して真摯に向き合ってくれた人
と思ってくれるのです。
4.簡単!競合商品の知見を高める手法
この解決策の提案において、プロとして競合となる知見を高めることは、ぜひしっかりしておいてください。
このように書くと、
競合商品を知見を高めるなんて、えー、めんどくさい。
と思われたら、まあ「プロとしての自覚をもってください」としか言えないですが、競合商品の知見を簡単に高める方法があります。
ちょっと話がそれますが、難しくないのでぜひ試してください。
お話をするお客様のなかに、ニーズ、問題、悩みを、競合する商品で解決された方が必ずいます。
その人に話を伺えばいいのです。
先ほどの例で言えば、ダイエットに成功した人に(太っているという悩みを解決した人)どうやってダイエットに成功したのかを聞くのです。
人は自分の悩みはなかなか人に話せませんが、悩みを解決すると不思議なことに人に話を聞いてもらいたくなるのです。
いやもう、どんな悩みだったか、どんなことをしたのか、いかに大変だったのか、なにがよかったのか間違いなく話してくれます。
話したいのです。聞いてあげて下さい。
- どんな悩み・・・悩みの共感のトークに使えます。
- どんなことをしたのか・・・競合商品の理解
- いかに大変だったか・・・デメリットの確認
- 何がよかったのか・・・メリットの確認、ベネフィットの確認
このように、成功体験を聞くことで、次のお客様へのアプローチするための材料が増えるのです。
あとは、競合のホームページをみて、聞いた話とのすり合わせをすればいいのです。ただ競合商品のホームページを見るだけなのですが、体験者の話を聞いているので理解がぐっと深まります。
どうですか、競合商品の知見を高めることは簡単ですよね、
5.知見を高めると競合商品の否定も信頼性が増す
単純な話、文字通り競合商品を使っている人の話が聞ければ、目の前のお客様に自社商品と競合商品と両方深い話ができるのです。
これだけで、お客様はあなたに対して、プロフェッショナルな発言として受け止めてくれます。
このように、プロとしての意見で、解決策をお話する。
解決策のうち競合となる解決策をプロとして知見で、デメリット、それがあってない人の事例を伝えてあげるることで、お客様は選択肢の中であなたの売りたい商品を選んでくれるのです。
一応いくつかトーク事例を書いておきますね。
ポイントは必ず褒めてからということです。
明らかなデメリットがある
(褒めてから)ウォーキングは、本当、運動嫌いな方には続けられないようですね
心理的な不安がある
(褒めてから)ウォーキングは、外を歩くので、人に見られたくないって方多いですね。
成功する条件を付ける
(褒めてから)ウォーキングは、3か月頑張った方が成功したようですね。3か月頑張るとうまくいくみたいです。
このようなところでしょうか? あと、
価格が競合商品の方が明らかに高い場合は
(褒めてから)とっても、いい商品なんですけど なかなかそこまでのお金がかけられないって方多いですね。
繰り返しますが、自社商品より競合商品が明らかに高い場合は使ってください。
6.まとめ
「セールスすることに心苦しさを感じる」方は、売るということをやめてください。
お客様のニーズ、問題、悩みを聞き、共感してあげてください。
そして、お客様にとって最高のプロとしての解決策を話してあげて下さい。
ただそれだけです。
少なくとも、3つの解決策を提案して、そのうちの一つがあなたの売りたい商品であれば、確率は1/3です。
あなたが、プロとして、競合となる商品の知見が高ければ、確率はもっと上がります。
売るというあなたの負担は全くありません。
お客様の心に寄り添って、解決策を話すだけで、売れてしまうのです。
もちろん売れない場合もありますが、私の経験では全力で売ろうとするのと、売れる確率は変わらないです。
しかも、お客様は、売れる売れないにかかわらず、あなたをプロフェッショナルなアドバイザーとして認識してくれるのです。
今回は売れなくても次回何か、問題、悩みが出たときに相談相手として思い出してもらえることが期待できるのです。
「セールスすることに心苦しさを感じる」方は、ぜひ試してください。